2011年7月7日木曜日

赤切符もらって免停は受けちゃった。ここで否認したら、起訴される?不起訴ですませられる??





というような悩みを抱えて、
かつてワタクシもNetの海を彷徨したことがございます。
そんななかで巡り会ったブログ「取締110番」。

タイトルにある難解な問題への回答ですら、
データとしてその指針が
このブログには存在しました!



交通違反にまつわって、ワタクシの求めていた情報が
このブログには詰まっていました!





----以下、取締110番より抜粋----



何度も言いますが、青切符の反則行為を否認した場合の不起訴率は99.99%以上です。

一方で赤切符の非反則行為に関しては、是認していても悪質な違反(泥酔での運転や大幅な速度超過、累犯など)は見せしめ的に公判請求されたり、懲役刑を求刑されてしまうため、「否認事件の不起訴率」というのは調べようがありません。

とはいえ、公開されている処理状況のデータからだけでも、「不起訴率の下限」はわかることに気付きました。何故「下限」なのかを理解してからでないと、数値のみを鵜呑みにするのは危険ですので先に説明します。

赤切符の非反則行為であっても、最初は「区検」に送検されます。ここで認めれば略式裁判で罰金刑になるのが普通です。ここで否認した場合の可能性は3つです。

1.不起訴(データとしては区検の不起訴に含まれてしまうので反則行為の不起訴との見分けは付かない)
2.区検で公判請求(割とレア)
3.地検へ移送

区検の不起訴数には反則行為の否認事件が含まれるため、不起訴率を計算しても99%以上の表示ばかりになってしまいます。区件でも年間数件~数十件の公判請求がありますが、このほとんどは非反則行為と思われますので、反則行為の1%弱が公判請求されていることにはなりません。その点は誤解しないようにしましょう。

次に地検における「公判請求」の内訳を考えると

1.悪質な非反則行為で、是認しているのに起訴されるもの
2.検挙に納得がいかずに否認したが起訴されたもの

これも統計上は内訳の調べようがありません。一方で不起訴数についても「否認した結果不起訴になった」のか、「是認していたのに不起訴になった」のかはわかりませんが、道交法違反事件に関しては、是認したら区検で略式裁判になりますので、後者の可能性は考えなくて良いでしょう。

さて、使用したデータは「検察統計」内の「検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員」のデータで、以下のリンクから調べられます。

検察統計

とりあえずは公開されている2006年~2009年のデータを並べ、地検のデータのみに絞って比較をしてみました。その後で「不起訴数/(公判請求・不起訴の合計数)×100」を計算し、「地検での不起訴率」を算出してみました。すると、驚くほどの地域差が認められる他、地検全体での不起訴率も算出出来ましたので、検討するに値する資料だと思います。

ただし、このデータを見る時は、前述の通り、これは「不起訴率の下限」であって、「否認事件の不起訴率」そのものではないことに注意をして下さい。

何故ならば、私の職場の先輩のように、区検への出頭時に否認したらそのまま不起訴になった事例は、この「地検の不起訴率」には含まれません。また、「地検の公判請求数」には、強制起訴された悪質な違反者の起訴数も含まれていますので、ブログへの相談が多い「30km/hちょっとの速度超過での否認事件」の不起訴率はもう少し高いと予想されます。従って、あくまでも地域差を検討するため、及び、どういうロジックで起訴・不起訴が分かれているのかを検討する意味でのデータとして下さい。

さて、まずは概略を説明しますと、

全国の地検全体での不起訴率は約40%です。

これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、今までは全くの未知であった不起訴率の一つの指標にはなるでしょう。ちなみに43%(2006年)→43.6%(2007年)→40%(2008年)→43.4%(2009年)と推移していますから、明らかに裁判所のキャパの問題のような要素がなければ、ここまで数値が綺麗には揃わないと思われます。

次に地域差を見てみます。

不起訴率が最も高いのは東京地検で70%~76%もあります。一方で最も低いのは和歌山地検で2%~8%しかありません。

最近は警察が非反則行為の検挙数を減らし、軽微な反則行為ばかりを検挙している結果として、東京では不起訴率がやや落ちてきている感もありますが、それでも69.5%(2009年)も不起訴があります。一方で和歌山地検は取扱件数が圧倒的に少ないものの、他の犯罪が少なくて余程暇なのか、2.4%(2008年)なんてデータもあります。ここまで低いと「否認してもほぼ起訴される」という脅しが事実になってしまいますね。一方で東京地検ならいくら脅されたところで7割以上が不起訴なのですから、下手をすると少々悪質なものでも不起訴になってしまう可能性がありますね。やはり歌舞伎町を抱える東京では、他の一般刑法犯の裁判が多すぎて検察も裁判所もパンク状態なのでしょう。

一つ言えるのは、「東京で検挙された者は悪質性が低くて起訴するほどではなく、和歌山で検挙された者は悪質性が高いので公判請求した」わけはないのですから、どの都道府県で検挙されたか(あるいはどの都道府県に居住しているのか?)で起訴率が大きく変わる事になってしまい、「法の下の平等なんてものは全く担保されていない!」ということですね。

住所が地方にある者が東京都で赤切符を切られた場合は、絶対に地元の検察庁には移管させずに「いくらでも出頭するから東京地検でやってくれ」と言うべきですし、東京在住の者が地方で検挙された場合は、「とても遠くて行けないので東京地検に移送してくれ」と主張すべきです。居住地と検挙地が異なる場合は、どちらの検察庁で処理しても良い事になっていますので、極端な話が東京都民が和歌山県で検挙されたら、東京地検に移送してもらえるかどうかで不起訴率が60%以上も変わってしまうのです。何たる不公平!


今日はもう眠いので続きはまた後日に書きますが、赤切符で地検まで移送されても、不起訴率が少なくとも40%以上ある事は、これから否認される方にとっては心強いデータとなるのではないでしょうか?諦めて略式に応じたら即罰金刑が出るだけです。40%以上の確率で不起訴が狙えるのであれば、納得がいかなければ否認して正式裁判を求めるだけの価値がある数値だと私は思います。

【追記】
さて、データの整理が出来ましたので、概略を書き足していきます。公開されている4年間の平均値で算出してあります。

不起訴率の高い地検ベスト5

1位:東京地検  73.9%
2位:広島地検  65.8%
3位:千葉地検  58.2%
4位:岐阜地検  54.8%
5位:静岡地検  54.5%


不起訴率の低い地検ワースト5

50位:和歌山地検  5.2%
49位:新潟地検   7.5%
48位:高知地検   9.3%
47位:秋田地検   9.8%
46位:徳島地検  15.8%


ようやく統計データの整理が完了したのでアップローダーにアップしてみました。興味がある方はどうぞ。ダウンロードパスはありませんので自由に落とせます。

検察統計比較

データの比較方法ですが、まずは各年の検察統計から余計なデータを削除し、「起訴」と「不起訴」のみに絞ってシートを整理しました。

次に「公判請求」と「不起訴数」に絞って4年分を並べ、(不起訴数)/(公判請求と不起訴の合計数)×100で「不起訴率」をパーセント表示しました。略式命令件数は被疑者が是認した事が明らかな事例ですから、このブログで欲しい不起訴率にはなりませんので除外しました。不起訴のほとんどは起訴猶予処分ですが、嫌疑不十分やその他という項目も含めての総数での計算です。「嫌疑なし」なら理解出来るのですが、例によって「その他」って何なのでしょうね?

上にも書きましたが、このデータでは、悪質犯で是認していても強制起訴された事例が分母に含まれてしまいますし、区検段階で不起訴になる数も入っていませんので、あくまでも地検まで送致された結果としての不起訴率の下限です。つまり、実際の赤切符の否認事件の不起訴率はこれよりは少し高い数値になると思われます。

とはいえ、東京地検の73.9%は恐るべき数値ですね。飲酒の累犯や100km/h超過、ほとんどが起訴されると思われるオービスの否認事件の起訴数も含めてのこの数字なのですから、ネズミ捕りや追尾式の速度超過ならば、8割程度が不起訴になると考えても不合理ではないと思われます。東京の不起訴が多いのは大都市で人口が多い分犯罪も多く、被害者の存在しない道交法違反のみの容疑者をいちいち起訴なんかしていられないという事でしょうね。


1位の東京と3位の広島は、組織犯罪が多そうですから道交法不起訴率が挙がる事と関連性があるかもしれませんね。検察統計の他のデータを見ると、組織犯罪関係は起訴率が高く、公判請求数が激増する傾向が見られます。

2位の千葉も納得がいきますね。産廃絡みの組織犯罪もありますし、ひったくり犯罪が大阪を抜いて堂々の全国トップになりましたから。窃盗犯も割合公判請求数が多い犯罪行為のようです。


5位の静岡と9位の名古屋は東名道があるが故の覆面追尾が多いからと予想されます。どう考えてもまともに公判維持をしようと思ったら、被疑者車両を直接測定するオービスやネズミ捕りに比べて、警察車両がいつでも好きなタイミングで「自分の車の速度」を計測できる追尾式の検挙は不起訴率が高くなると考えるのが自然ですからね。

意外なのは4位の岐阜地検です。岐阜の不起訴率が高いのは東海環状と東海北陸の両自動車道がある事が原因なのでしょうかね?まあこれは予想の域を出ません。

一方で不起訴率が低い都道府県は、パッと見では「他の犯罪が少なく治安が良さそうな県」が並んでいる気がしますね。北海道が4地検に分かれる為に総数が50なのですが、40位以降を見てみると

40位 函館地検  21.3%
41位 高松地検  20.7%
42位 山形地検  20.6%
43位 甲府地検  19.9%
44位 青森地検  18.5%
45位 盛岡地検  17.0%


ですからね。わかりやすいのは北海道で、北海道内の4地検を比較してみると

札幌地検 14位 40.4%
釧路地検 27位 28.9%
旭川地検 29位 28.2%
函館地検 40位 21.3%


です。札幌地検の不起訴率の高さは、他の刑法犯罪数が多いが故だと思われますし、函館地検の起訴率が高いのは、函館地検の管轄エリアが他の3地検に比べて狭いため、公判請求のキャパに余裕があるためではないかと思われます。まあ、私のような素人の予想がどこまで当たっているかは不知ですが、明らかに統計学上の有意差が見られますよね。

このデータを整理してみて思った事があります。上でも少し書きましたが

普通に考えれば同じ35km/h超過でも、交通量の多い都市部での違反の方が危険性が高いと思われ、和歌山・新潟・四国・東北みたいなド田舎(住んでる方ごめんなさい)なら、どうせ空いてるんだからそのくらい超過してもほとんど危険はないと思われるのに、不起訴率はこの危険性とは反比例しているように見えます。まさに検察や裁判所の都合で起訴不起訴の判断が分かれており、法の下の平等とやらは、都道府県をまたいだだけで全く基準が変わってしまうのですから、本当に不公平でふざけた現状だと思いますね。

とりあえず気付いたことを書きましたが、読者の方々はそれぞれご自分の居住する都道府県の不起訴率を見て、その原因などを考えてみても良いでしょうね。例えば横浜地検は人口や犯罪数の割に不起訴率が異常に低いと言えます(23.9%で37位)。パッと理由を考えると、今でも暴走族がいる県である事や、走り屋の聖地がいくつもあり、最初から悪質かつ危険である事を承知で違反をする者が多いからかもしれませんが、そのとばっちりでどうって事のない違反容疑の人まで起訴されてしまっているのかもしれません。お隣の東京都内で検挙されたら不起訴率が3倍に跳ね上がるのですから、悪名高い神奈川県警のノルマ重視の取締りと合わせて、神奈川県民の皆さんからは怨嗟の声が聞こえて来そうですね…

さて、この統計データは役に立ちましたでしょうか?






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