2011年7月17日日曜日

スピード違反・信号無視・一旦停止違反に対する具体的な交渉方法(その3--告知書作成後--)





共通事項(告知書作成後)

 違反を現認した警察官は反則告知書を作成し交付する。これが法に定められた手続きである。全ての収入(反則金・講習費)は切符を切らなければ手に入らないので警察官は告知書の交付に執着するわけだが、違反を認めて署名するかどうかはあくまでも任意である。そして、ここからが本当の戦いなのだ。切符を書き始める前に前述の主張で諦めさせるのが理想だが、実際には免許証を取り上げ(提出は義務ではないが半強制的に取られることが多い)告知書を作成し始めるのが通例。一度書いてしまった告知書を取り下げるのは警察官としても面倒なようで、経験上は1回取締りを受けたら約1時間は押し問答を繰り返さなくてはならない。しかしそれでも、理不尽な取締りに唯々諾々と応じるよりは良いのではないだろうか?以下に告知書に対する否認の方法、及び一般人にとっては落とし穴になりやすい供述調書への対応法について列挙していく。

①告知書への署名を求められたら

 告知書には小さく「上記の違反を認めます」というような文章が載っており、署名することで自ら違反を認めたことになる。だから署名をしてはならないのだが、告知書への署名を拒否した場合に作成される供述調書には、こちらの主張全てが記載されるわけではない。いや、本来は記載しなければならないのだが、「違反はしておらず取締りには以下の違法性が認められる」などと書いては警察側に勝ち目がないので、警察官は言葉巧みに警察側にとって有利な供述調書を作成してしまう。裁判になった時には当然この告知書と供述調書が証拠として提出されるわけだが、告知書に署名がなくとも供述調書に違反があったかのように推測される文章が載っているのでは勝ち目がない。従って、告知書にも何か書き込んでおいた方が良いことがある。その方法とは…

「上記の違反を認めます。という内容の文章が載っている部分を×で消し、署名欄には「全面的に否認します。理由は供述調書内で述べます。」と記入する。」

 こうすることで警察官は供述調書を取らざるを得ず、裁判でモメた場合にも、「告知書では全面的に否認すると言っているのに供述調書内では大した主張がなされていないのは、取締り警察官が無理矢理供述内容を捏造し、被疑者が求めた文言の記載を拒否したからだ」と主張する布石としておくのだ。もちろん氏名は書かなくてよい。警察官によっては怒るだろうが、「否認すると書いただけで告知書の効力がなくなってしまうなら書き直せ」と言えばよい。

②告知書は必ず受け取ろう。

 告知書の交付は警察官にとっての責務なので、渡そうともしなければ立派な違法行為だが、多くの場合は告知書を渡さず「じゃあこれは要らないね?」などといいながら切符をしまってしまう。これにはいくつかの理由が考えられるが、その最たるものは「面倒な手続きをさせておきながら、後で反則金を支払われて徒労に終わるのは嫌だ」ということであろう。被疑者が容疑を否認すると、警察官は捜査報告書などの作成が必要になり、今時手書きで延々と机に向かって書類作成をしなければならなくなる。しかし、被疑者の気が変わって反則金を納められてしまえばそれらは全て必要がなくなり、自分の苦労が無駄になってしまう。だから、否認されたら反則金は諦め、反則点数だけ付ければよいと考えるようである。

 告知書には自分にかけられた容疑や取締り警察官の所属・階級・氏名なども記載されているので、これは是非とも受け取っておくべきである。下手をすると誰に取り締まられたかもわからない状態になってしまうから。

 裏技としては、取締りの様子を全て録音しておき、警察官が告知書を交付しようともしなかった経緯を記録しておくことである。警察側の主張は「交付したが受け取りを拒否した」となるわけだが、一度も交付しようともしなかった経緯の証拠があればかなり有利になる。しかしまあ、取り締まった警察官の身分をはっきりさせておきたいので、僕は必ずもらうことにしているけど。

③供述調書とは被疑者の供述を記録するものであることを強調する。

 告知書の交付が終わると供述調書の作成に入る。しかし、放っておくと「警察官に違反だと言って止められました」というような一見客観的、しかしその実は違反の事実があったかのような印象を与える供述調書を取られてしまう。だから必ず前置きが必要である。

「供述調書とは被疑者の供述を記録するものですよね?私はどうしても主張したい点を誤解無く検察官・裁判官にお伝えしたいので、一語一句違わずに私が申し上げる通りに記載してください。それが無理なら自筆で書かせてください。それも無理ならその根拠法を示してください。」

 基本的には供述調書は捜査機関の人間が記載するものであるから、自筆でというのは難しいかとは思われるが、条文には「供述調書を取る」とあるだけで、被疑者の主張を無視して自由に作成してよいとは書かれていない。しかし、いざ供述調書の作成の段になって、「違反はしていないにも関わらず、一方的に違反だと決め付けられ」などと主張しても「ダメダメ!見てたんだから!」などと言って調書に記載してくれないことが多い。だがこれに応じてしまっては意味がない。供述調書はあくまで被疑者の主張を記載するものであるから、警察官の個人的見解を記載させてはならないのである。従って、供述内容を無理に変更させられそうになったらこう主張しよう。

「○○さんの主張は捜査報告書などに記載すればいいでしょう。供述調書は被疑者が主張できる唯一の方法であるにも関わらず、供述内容を強制してよいとする法的根拠は何ですか?それがないなら私の主張通り一語一句違わずに記載して下さい。」

 こうまで主張してもなおも執拗に内容を変えられたり、複数の警官に囲まれて「逮捕するぞ!」と恐喝されたりするのが通例だが、そこで負けてはならない。警察がそこまで粘るのは、裏を返せば供述通りの調書を作成すると立件が難しいということなのだ。

④違反の有無についてはあまり主張せず、取締り方法及び担当警察官の対応の違法性についての主張を繰り返す。

 前述したことだが、犯罪とは「犯罪の事実がない時」と「捜査に違法行為がある時」は立件が出来ない。警察官に停められたからには違反は事実だろう。しかし、検挙率0.0001%未満と言われる道交法違反の全てに可罰的違法性はないのではないか?というのがこのマニュアルの趣旨なのであるから、争うべきは可罰的違法性及び捜査方法の適法性なのである。だから、ケース毎の対応法を応用しながら供述調書への主張は必ず下記のようにする。

「自他の安全を優先させた結果、外見上の違反行為をしてしまったかもしれませんが、私には故意に違反をするつもりはなく、また停められた後に○○巡査から説明を受けましたが、未だに違反を犯したという自覚がありません。あったとすればそれは私に何らかの過失があったことになりますが、「故意と過失では扱いが異なるのではないか?」という私の主張に対して○○巡査は「違反は違反だから同じだ!」と怒鳴るばかりで根拠法の説明もしてくれません。また、「この取締りにおいては××の点で違法性があるのではないか?」という主張に対しても「関係がない」と繰り返すばかりで釈明すらしてもらえません。本供述調書に関しても「被疑者の主張通りに記載して欲しい」という主張に対して「そんなことは出来ない」と発言するなど、担当警察官の法的知識には甚だ疑問が持たれ、そもそも私の違反を見たとする目撃証言の信用性もかなり低いのではないかと思われる。また「目撃証言以外の直接証拠を提示して欲しい」という主張に対しては「目撃証言さえあればいいんだ」と主張されたが、「安全かつ円滑な交通」という道路交通法の趣旨と照らし合わせた時に、私の行為がいかなる点で安全な交通を阻害したのかということも説明がなされず、「厳重注意処分という扱いも出来るのに、告知書の交付という厳罰に処さなければならないほどの可罰的違法性を説明して欲しい」という点についても今もって何の説明もされていない。以上の点から、本件取締りにおいては数多くの不法行為が確認されており、被疑者の軽微な違反のみを立件し、虚偽の教示を繰り返したり、逮捕要件もないのに「逮捕するぞ!」と恐喝するなどの警察官の不法行為については不問にするというのは、憲法で保障された法の下の平等に反する行為であると言わざるを得ない」

 極端な話、上記の主張を供述調書に記載させられればこちらの勝ち、出来なければ負けである。僕自身は何度か供述調書の作成まで進み、以上の主張を繰り返して「被疑者の主張を記載しなくてもよいとする根拠法を示せ!」と怒鳴っていたら切符ごと回収されて厳重注意処分に切り替わったということが何度かある。上記の主張を記載してしまったら立件は難しいという証左である。

 ただ、こちらの本気が伝わらなければ取り下げては来ないので、最悪不当逮捕される覚悟をした上で毅然とした態度で主張しなければならない。意地になって無理矢理立件しようとする警察官も少なくはないので、それについてはその後の対応でそのような勘違い警察官の出世の道を封じてしまう程度の対価を支払わせよう。





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