2011年8月12日金曜日

交通違反反則金のウナル還流方法




23年間にわたり警察官として最前線に勤務され、退職後に腐敗を続ける警察組織への警鐘をならす活動を続け、
2010年11月2日、千葉県市原市で自死を選んだジャーナリストがいました。

それが黒木昭雄氏です。

彼のHPはご子息が引き継ぎ現在も存在します。
そのなかに、交通違反取締に関する警鐘がございましたので、
そこから引用させていただきます。

以下、http://www.akuroki.jp/re_tree/Plogs=61_treebbs.htmlから引用です。
他にも興味深い記事がございますので、関心ある方は覗いてみてはいかがでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
道路交通法第一章総則、第一条(目的)
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、および道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

交通違反で取締りを受けた者は多い。

警察の手続きもよく知られている。しかし、その反則金の流れは、一般には闇の中だ。あまり話題になることもない。


違反者が金融機関に納めた反則金は、歳入としていったん警察庁に納入される。
そこから歳出担当の自治省にわたり、地方交付金として各自治体に交付される。
その交付金から、交通安全に関わる「交通標識、信号機、道路ペイント」などの費用に充当される、という建前になっている。


では全国四七都道府県に、それら交通関連設備を専門に扱い施工する企業が、どれほどあるのだろうか。


それら関連企業の資本、役員、営業形態(入札)はどのようになっているのか、などの点に話が及ぶと極めて不透明な部分が多いことに気づく。



そのことに関して、次のような記事を覚えている読者も多いだろう。その不透明な姿がちらりと波間に浮上した、警察(OB)と業者の癒着を暗示させる事件だった。

信号機管理で脱税、警察OB天下り先―法人税法違反容疑で、社長ら二十人聴取へ


◇数十億円、所得隠しの疑い
警視庁など全国十都県の警察本部から信号機の保守管理を請け負っている日本交通管制技術(横浜市西区)とグループ企業が巨額の法人税を脱税していた疑いが強まり、東京地検特捜部は十三日、天門太陽(あまかどたいよう)社長(六十一)ら関係者約二十人を法人税法違反容疑で一斉に事情聴取する方針を固めた模様だ。



グループ企業間で架空の注文を出したように装うなどの手口で、過去四年間に数十億円の所得を隠した疑いが出ている。グループは元警視総監や警察OBを顧問や役員に迎えるなど警察との深い関係を背景に業務を拡大していた。
これまでの調べや関係者によると、日本交通管制技術は警察から信号機の保守管理業務を受注した後、一部をグループ企業に下請けさせていた。この際に企業間で架空の注文を出したことにして不正な経理操作をしていたという。同社とグループ企業は昨年六月、東京国税局の強制調査(査察)を受けていた。
関係者は「不正経理で捻出した金は、税務署には申告せず、事業資金などに使った」と証言。特捜部などはグループ上層部が不正経理を指示して組織ぐるみで脱税工作をしていた疑いがあるとみて、天門社長らを追及する方針だ。


日本交通管制技術は一九六七年に設立され、信号機や警察の交通管制システムなどの保守管理を請け負っている。資本金は九千万円。民間信用調査機関などによると、昨年三月期の売上高は二十三億七千万円で、警察からの委託分が大半を占める。


これまで、青森、山形、福島、神奈川、新潟の五県警でグループ企業が信号機の保守管理業務を独占していた。警視庁と千葉、静岡、群馬、愛知の四県警でも業務の一部を委託されている。グループには青森、山形、福島、神奈川、新潟、千葉、愛知の七県警から、交通部長や交通部参事官だったOBが役員に天下りし、複数の元警視総監が顧問に一時就任していた。


警察庁は昨年夏、都道府県警の交通担当者を集めた会議で「随意契約を競争入札に切り替えるなど業者選定に門戸開放を進めるよう」指導した。これを受けて一部の県警では、業務の委託方法を見直す動きも出ているが、改善はあまり進んでいないという。


一九九八年四月十三日・毎日新聞・東京夕刊






全国の大企業は高級官僚に天下りポストを用意している。
その理由は「許認可」などの件で自社に有利に運びたいからで、その癒着構造は世論からたびたび指摘、指弾されてきた。


確かにその癒着から被る市民の不利益はあるだろうが、しかし交通問題はより市民生活に密着し、そこに不正があるなら、市民の被害はより甚大であろう。


毎日新聞の記事でわかるように、交通標識、信号機、道路ペイントなどの請負企業が、警察高級官僚の天下りを多数受け入れた、競争のない随意契約(本質は独占)企業と判明した。
この警察高級官僚の天下りを持続させるため、警察内部ではとんでもないことを平気で署員に押しつけているのだ。


警察上層部のある部長は「交通取締りの件数にこだわれ、数字にこだわれ」と指示を流し、とにかく取締り件数の実績を上げようとする。


道路交通法の目的は、道路上の危険防止と交通の安全を円滑に維持することにある。
そのため現場警察官は、道交法の精神に則り、違反者に対して厳格に臨み、指導、取締りを行なうことになっているのが建前だが、指導などはどこへやら、実際はみなさんご存じのとおり、違反者から反則金を取り上げる「取締り」が主目的となっている。


私の経験から言えば、平成三年の春ごろから急に交通違反取締り(特に駐車違反)件数を上げるように、上司が口やかましくなったと記憶している。
少なくともそれまでは、悪質ではないと認められる運転者に対しては、指導するという措置が取られていたのだ。


しかし最近では、取締り件数アップのためには、事情などいっさい斟酌せず機械的に処理し、点数を上げることにのみ熱心な警察官も増えている。その一例を挙げると、
深夜、PCで管内を警ら中に「駐車の苦情」ありと一一〇番通報を受け、現場に急行するとすでに受持交番から若い警察官が臨場していた。確かに三台ほどの車が駐車していたが、別にほかの交通に支障をきたすほどもなく、通報者も現場にいなかった。


駐車中の運転者に対し「なぜ車をここに止めているのか」、と聞いたところ「父親の容体が急変したから、急いで駆けつけたところだ」ということだ。しかし、受持交番の警察官は「違反は違反ですから」と言って、反則切符を取り出しはじめた。
私は思わず「いい加減にしろ」と一喝し、その取締りを中止させたことがあった。


その警察官は道路交通法の目的を、まったくわかっていないのだ。


この件は法的には確かに違反だ。しかし、その場の状況と駐車の理由から判断すれば「警告処分」にするぐらいの臨機応変の処置を取るべきなのだ。法はあらゆる事態を想定して作られてはいない。基本原則を示し、その中で常識的な判断をする、というのが法の精神だと思う。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いい奴はみな死ぬ」
「生き残るのはいつも農民」


なぜかしらこんな台詞がワタクシの脳裏に広がります。

黒木氏のご冥福を祈らずにいられません。