さて、今日はブログに寄せられた読者からの
質問に対するご回答をご紹介します。
2011-08-08 01:49:55
Q.問題提起をすることが目的なら、否認をして不起訴を狙うのではなく、正式裁判に持ち込むことをするべきではないでしょうか?
不起訴を勝ち取るという時点で、ただの「ごね得」狙いといわれるでしょう。
不起訴(起訴猶予)は勝ちではなく、本来負けです。勝ちは正式裁判で無罪判決となることです。
そして、正式裁判に多数持ち込むことこそ処理をパンクさせ、問題提起になるというものです。
否認を増やすというが、切符を切ることをさせないということが目標の時点で、それは何も生みません。
なぜなら、切符を切らない時点で何もデータとして残らないものだからです。
そして、不起訴を増やしても処理に負荷はかからず、統計という嘘でごまかされ、何も変わらないでしょう。
正式裁判をすることこそ筋であり、それ以外が目的ならごね得ねらいではないのでしょうか?
2011-08-09 01:22:25
A.
正式裁判を主張すべきという貴方の主張には一理ありますが、目的達成の為の方法は人それぞれであり、正式裁判を求めろという方法で問題提起がしたい方はご自分でそうすればよいと思います。
私の目的は、交通行政の実態をより多くのドライバーに認知させ、「こんな検挙はおかしい」として否認する件数が激増することによって社会問題化して法改正や警察の手法の変更を迫る事です。
正式裁判を求めるのも構いませんが、反則行為ではそもそも99.9%以上が不起訴にされてしまうのですから意味がありません。非反則行為に関しても都市部では既に裁判所はパンクしており、否認が増えたら増えただけ不起訴率が上がるだけの話です。
否認が今以上に増えた時に、「こんなに多くの国民が否認するというのは、法律が実態に合っていないのではないか?」という真っ当な意見が勝つか、「否認されると反則金が入らなくて困るから全部放置違反金みたいな行政制裁金にしちまうか?」という警察の論理が勝つかはわかりませんが、後者を選ばせない為にも、出来るだけ早く、より多くのドライバーに反則金制度の実態を知ってもらうことが肝要です。
「裁判を辞さずに否認しましょう!」では、余程覚悟のある人しか否認しようと思いません。
「反則行為は否認さえすればほとんどが不起訴になります!」ならば、より多くの人が否認を選択するでしょう。
私の目的達成の為には後者の方がより効果的だと思う次第です。
まあ、非反則行為に関しては前者のような覚悟が必要ですが。
貴方と意見が異なる事は構いませんし、お互いに尊重すべきでしょうが、
>不起訴(起訴猶予)は勝ちではなく、本来負けです。
>勝ちは正式裁判で無罪判決となることです。
それは貴方の見解です。
他の刑事事件であれば、起訴猶予を含む不起訴は無罪と同値であり、勝ちです。
起訴猶予が負けだというなら、検察は無罪が出そうなら起訴猶予にしておけば勝ちということになりますね。
道交法違反で起訴猶予が実質負けのように感じるのは、反則点の付加が行政処分の範疇に入り、刑事処分が起訴猶予でも抹消されないからですが、それこそそんなシステムがおかしいから是正が必要なのであって、「起訴猶予だから反則金が付加される」わけではありません。
毎年1回1点6000円の違反を繰り返したとすると、10年で10点6万円になりますが、反則点は1年1点ならばいつまで経っても短期免停にもなりません。反則金を真面目に支払う者は6万円取られますが、否認して不起訴になる者には、免許証がずっと青3年免許である以外には損害がありません。違反の悪質性に関わらず、払った分だけ損をする仕組なわけです。こんなシステムはさっさと改善すべきだと思いますね。
>そして、正式裁判に多数持ち込むことこそ処理をパンクさせ、問題提起になるというものです。
前述の通り、既に処理はパンクしています。
変革の為に効果的なのは否認事件が激増することです。極端な話が全員が否認したら約720億円の反則金収入がいきなり0になるのです。
頑張って起訴しても罰金になってしまって反則金としては納められませんから。
>否認を増やすというが、切符を切ることをさせないということが目標の時点で、それは何も生みません。
切符を取り下げが叶えば、その人にとっては理不尽な検挙を回避したというメリットが生じます。
強引に切符を切られても、切符を取り下げを主張した人が反則金を支払う可能性は低いですから否認件数が増えるでしょう。
>なぜなら、切符を切らない時点で何もデータとして残らないものだからです。
データには残りませんが、警察のノルマは変わりませんから、今までなら一日10件切符を切り、うち9人が反則金を納めていたところが、3件は切符が切れず、残りの7件のうち4人しか反則金を支払わなければ、検挙数を倍に増やしてもまだ足りないことになります。
否認数が増えれば検察統計のようなデータにも残ります。
>そして、不起訴を増やしても処理に負荷はかからず、統計という嘘でごまかされ、何も変わらないでしょう。
警察の処理に負担が掛かるのは前述の通り、統計上も否認が増えればわかりますし、現に放置違反金制度が導入されたのは駐車違反の不出頭や否認が増えたからです。
放置違反金制度は改悪でした。現在反則金とされているものが行政制裁金にされそうになった時、選挙結果を左右するほどの人口が「そりゃおかしいだろ!」と言えるほどに知識を得ているかどうかが私にとっての勝負です。
>正式裁判をすることこそ筋であり、それ以外が目的ならごね得ねらいではないのでしょうか?
私のブログに反対する方はよく「ゴネ得」という言葉を使います。警察もよく「ゴネ得は許さない!」とか言います。しかし、「ゴネ得」の定義は誰がするのでしょうか?
切符を取り下げるのは警察が判断することです。不起訴にして罰金刑を科さないのは検察官が判断することです。
厳重注意処分で済まさせたり、不起訴になったりすることが「ゴネ得」なのだとしたら、それを成立させているのは行政側の人間ということになります。
私にしてみれば、法と検挙システムが狂っているのですから、切符を切られないことも、切られてしまっても不起訴になることは、正当な権利の回復であってゴネ得ではありません。
クレーマーが真っ当な商品にケチを付けて利益を得ることとは次元が異なる話なのです。
ここまで丁寧に反論する必要もありませんが、現行の検挙システムが正しいと思われるのであれば、それを支持する権利が貴方にはあります。
警察のHPや交通安全教本などで、この狂った検挙システムが正義であるかのような幻想を持たせるプロパガンダが多数喧伝されていますから、それに同調して応援すればよいと思います。
システムはおかしいが、その改善の為にはあくまで正式裁判を求めて動くべきだとお考えなのであれば、御自身でHPなりブログなりを開設して活動すればよいでしょう。
決して私のブログの主旨と対立するものでもありませんから影ながら応援させていただきます。
「道交法は全て正しく、違反は違反なのだから、違反が事実なら不起訴狙いで否認するのはゴネ得であって許されない!違反の事実がないなら正式裁判で無罪判決を勝ち取れ!」という主張ならば、訴える先は私ではなく、不起訴を連発する検察庁の方でしょう。