2011年8月17日水曜日

正式裁判を受けることを主張すべきでは?



さて、今日はブログに寄せられた読者からの
質問に対するご回答をご紹介します。






2011-08-08 01:49:55
Q.問題提起をすることが目的なら、否認をして不起訴を狙うのではなく、正式裁判に持ち込むことをするべきではないでしょうか?

不起訴を勝ち取るという時点で、ただの「ごね得」狙いといわれるでしょう。

不起訴(起訴猶予)は勝ちではなく、本来負けです。勝ちは正式裁判で無罪判決となることです。
そして、正式裁判に多数持ち込むことこそ処理をパンクさせ、問題提起になるというものです。
否認を増やすというが、切符を切ることをさせないということが目標の時点で、それは何も生みません。

なぜなら、切符を切らない時点で何もデータとして残らないものだからです。
そして、不起訴を増やしても処理に負荷はかからず、統計という嘘でごまかされ、何も変わらないでしょう。

正式裁判をすることこそ筋であり、それ以外が目的ならごね得ねらいではないのでしょうか?










2011-08-09 01:22:25
A.


正式裁判を主張すべきという貴方の主張には一理ありますが、目的達成の為の方法は人それぞれであり、正式裁判を求めろという方法で問題提起がしたい方はご自分でそうすればよいと思います。

私の目的は、交通行政の実態をより多くのドライバーに認知させ、「こんな検挙はおかしい」として否認する件数が激増することによって社会問題化して法改正や警察の手法の変更を迫る事です。

正式裁判を求めるのも構いませんが、反則行為ではそもそも99.9%以上が不起訴にされてしまうのですから意味がありません。非反則行為に関しても都市部では既に裁判所はパンクしており、否認が増えたら増えただけ不起訴率が上がるだけの話です。

否認が今以上に増えた時に、「こんなに多くの国民が否認するというのは、法律が実態に合っていないのではないか?」という真っ当な意見が勝つか、「否認されると反則金が入らなくて困るから全部放置違反金みたいな行政制裁金にしちまうか?」という警察の論理が勝つかはわかりませんが、後者を選ばせない為にも、出来るだけ早く、より多くのドライバーに反則金制度の実態を知ってもらうことが肝要です。

「裁判を辞さずに否認しましょう!」では、余程覚悟のある人しか否認しようと思いません。


「反則行為は否認さえすればほとんどが不起訴になります!」ならば、より多くの人が否認を選択するでしょう。


私の目的達成の為には後者の方がより効果的だと思う次第です。

まあ、非反則行為に関しては前者のような覚悟が必要ですが。




貴方と意見が異なる事は構いませんし、お互いに尊重すべきでしょうが、


>不起訴(起訴猶予)は勝ちではなく、本来負けです。
>勝ちは正式裁判で無罪判決となることです。

それは貴方の見解です。

他の刑事事件であれば、起訴猶予を含む不起訴は無罪と同値であり、勝ちです。
起訴猶予が負けだというなら、検察は無罪が出そうなら起訴猶予にしておけば勝ちということになりますね。

道交法違反で起訴猶予が実質負けのように感じるのは、反則点の付加が行政処分の範疇に入り、刑事処分が起訴猶予でも抹消されないからですが、それこそそんなシステムがおかしいから是正が必要なのであって、「起訴猶予だから反則金が付加される」わけではありません。

毎年1回1点6000円の違反を繰り返したとすると、10年で10点6万円になりますが、反則点は1年1点ならばいつまで経っても短期免停にもなりません。反則金を真面目に支払う者は6万円取られますが、否認して不起訴になる者には、免許証がずっと青3年免許である以外には損害がありません。違反の悪質性に関わらず、払った分だけ損をする仕組なわけです。こんなシステムはさっさと改善すべきだと思いますね。




>そして、正式裁判に多数持ち込むことこそ処理をパンクさせ、問題提起になるというものです。

前述の通り、既に処理はパンクしています。

変革の為に効果的なのは否認事件が激増することです。極端な話が全員が否認したら約720億円の反則金収入がいきなり0になるのです。
頑張って起訴しても罰金になってしまって反則金としては納められませんから。



>否認を増やすというが、切符を切ることをさせないということが目標の時点で、それは何も生みません。

切符を取り下げが叶えば、その人にとっては理不尽な検挙を回避したというメリットが生じます。

強引に切符を切られても、切符を取り下げを主張した人が反則金を支払う可能性は低いですから否認件数が増えるでしょう。



>なぜなら、切符を切らない時点で何もデータとして残らないものだからです。

データには残りませんが、警察のノルマは変わりませんから、今までなら一日10件切符を切り、うち9人が反則金を納めていたところが、3件は切符が切れず、残りの7件のうち4人しか反則金を支払わなければ、検挙数を倍に増やしてもまだ足りないことになります。

否認数が増えれば検察統計のようなデータにも残ります。



>そして、不起訴を増やしても処理に負荷はかからず、統計という嘘でごまかされ、何も変わらないでしょう。

警察の処理に負担が掛かるのは前述の通り、統計上も否認が増えればわかりますし、現に放置違反金制度が導入されたのは駐車違反の不出頭や否認が増えたからです。

放置違反金制度は改悪でした。現在反則金とされているものが行政制裁金にされそうになった時、選挙結果を左右するほどの人口が「そりゃおかしいだろ!」と言えるほどに知識を得ているかどうかが私にとっての勝負です。



>正式裁判をすることこそ筋であり、それ以外が目的ならごね得ねらいではないのでしょうか?

私のブログに反対する方はよく「ゴネ得」という言葉を使います。警察もよく「ゴネ得は許さない!」とか言います。しかし、「ゴネ得」の定義は誰がするのでしょうか?

切符を取り下げるのは警察が判断することです。不起訴にして罰金刑を科さないのは検察官が判断することです。

厳重注意処分で済まさせたり、不起訴になったりすることが「ゴネ得」なのだとしたら、それを成立させているのは行政側の人間ということになります。

私にしてみれば、法と検挙システムが狂っているのですから、切符を切られないことも、切られてしまっても不起訴になることは、正当な権利の回復であってゴネ得ではありません。

クレーマーが真っ当な商品にケチを付けて利益を得ることとは次元が異なる話なのです。

ここまで丁寧に反論する必要もありませんが、現行の検挙システムが正しいと思われるのであれば、それを支持する権利が貴方にはあります。

警察のHPや交通安全教本などで、この狂った検挙システムが正義であるかのような幻想を持たせるプロパガンダが多数喧伝されていますから、それに同調して応援すればよいと思います。

システムはおかしいが、その改善の為にはあくまで正式裁判を求めて動くべきだとお考えなのであれば、御自身でHPなりブログなりを開設して活動すればよいでしょう。

決して私のブログの主旨と対立するものでもありませんから影ながら応援させていただきます。

「道交法は全て正しく、違反は違反なのだから、違反が事実なら不起訴狙いで否認するのはゴネ得であって許されない!違反の事実がないなら正式裁判で無罪判決を勝ち取れ!」という主張ならば、訴える先は私ではなく、不起訴を連発する検察庁の方でしょう。











2011年8月16日火曜日

実践例① 速度超過(追尾式)

① 速度超過(PC追尾)

覆面か白黒かに関係なく、追尾による速度超過での取締りを受けた場合は、割合と対処がしやすい。最近ではビデオを搭載したPCも多いので、後部座席に乗り込んだらまずはビデオの有無を確認しておこう。こちらの主張とビデオ画像に矛盾があると不利になるので。

さて、おそらく警察官から言われるであろうセリフに対する主張法を列挙していくので、実際の現場では前章までの法的知識と合わせて応用して主張して欲しい。切符を切るも取り下げるも最終的には警察官の胸先三寸なので、同じケースでも主張の仕方によって結果が変わってしまうので。



①スピード出してたねぇ、急いでたの?

主張:急いではいません。後からこの車が物凄い勢いで煽ってきたので追突を避けるために一時的に加速して他の車線に移ろうとしましたが、何か問題があったでしょうか?

解説:「急いでいた」と言うと、「だからスピードを出した」と繋がるので×です。


速度超過自体を否認するのも手ですが、一般道で30km/h 高速道では40km/h以上オーバーしていないとPCも追尾して来ませんから、それを否認するのは少々無理があるでしょう。
ポイントは、「追突を避ける為に一時的に加速した」という点です。事故を避ける為に速度超過したのですから、これは「緊急回避」に当たり無罪です。また、速度超過は加速中や減速中には速度が一定ではないため計測結果の信憑性が下がりますので、「加速中だった」と主張することで、計測データが無効である主張が含まれています。


②そんなこと言ったってダメだよ!これが君が出していた速度だよ!

主張:このPCは走行しながら計測できるレーダーを搭載しているんですか!?この速度はこのPCが出していた速度であって、私の車両の速度ではないと思いますが?

解説:停車した状態でなら計測できるレーダーを搭載したPCは存在しますが、追尾による取締りの際に見せられる速度は、警察官がボタンを押した時点でそのPCが何キロ出していたかを表示しているに過ぎず、冗談ではなくこちらの車の速度ではないのです。

③だから、君の車を追尾して同じ速度で走りながら計測したんだから、君の車の速度だよ。

主張:さっき言った通り、このPCが赤色灯も点けずに煽ってきたので、この車がPCだとは気付かずに、追突を避けるために一時的に加速したんです。加速中に等速度で追尾して計測するなんてことが出来るとは思いませんし、赤色灯が点いた次の瞬間には「止まれ!」と言われましたよ?一体いつ追尾していつ計測したんですか?


④そんなことはない。その前にちゃんと等間隔で追尾して計測したんだから。

主張:それはあり得ません。僕は以前タクシーに追突されたことがあるので、以来後方に対する注意は怠ったことがありません。この車の存在には気付いていましたが、間違いなく赤色灯は点いていませんでした。赤色灯が点いて「あ!」と思った次の瞬間には「止まれ!」と言われました。赤色灯を点けなければ速度超過も計測も出来ないハズですよね?あんな2,3秒の間にそれを全てしたと言うんですか?

解説:速度超過を追尾で取締る為には、一応の指針として、「等速度・等間隔で200m程度は追尾した後で」と定められている。従って、仮に150km/hで走っていたとしても5,6秒は追尾しなければならないし、一般道や有料道路で100km/h程度で取締られたなら、約8秒追尾されたことになる。しかし、実際には赤色灯を点けて8秒も追尾されたら誰でも気付くのであり、警察官はウソをついている。だから、こちらの主張はあくまでも「赤色灯は点いていなかった」と言わなくてはならない。


⑤赤色灯はライトの間の小さいのだけを点ければいいから君が気付かなかったんでしょ?

主張:後方に対する注意を欠かした事がない僕ですら気付かないような赤色灯で、他の一般車はちゃんとPCだと気付いて安全に走行出来るんですか?ここに表示されてる速度を出したんですよね?救急車なんてあれだけ目立つ赤色回してサイレン鳴らしながらなのに80km/h程度しか出さないのに、あなたはすぐ前の車が気付かないような赤色だけ点けてサイレンもなしにこんな速度で走って危険じゃないんですか?

解説:道路交通法の趣旨は「道路の安全かつ円滑な交通」である。つまり、警察車両と雖も危険な運転はしてはならないのである。速度超過が危険だとするなら、誰も気付かないような赤色を点けたところで、PCの速度超過も危険なハズである。その点をひたすら突いていこう。


⑥君の違反について言ってるんだ!

主張:取締りの方法に違法性があれば、被疑者の違法行為のみを検挙することは出来ないんじゃないんですか?そうでなければ警察官なら何やってもいいことになっちゃいますよね?僕は、このPCは停車を命じる直前まで赤色灯を点けていなくて、200mも追尾していないし、計測したと言っている時分に僕の車両は加速中でしたし、何よりもこの車に煽られて僕は「危険だ」と感じました。煽って加速させておいて取締るってのはいくらなんでもやりすぎじゃないですか?


⑦そもそも君の車が速度超過しているのを認めたから追尾したんだ!

主張:確かに周囲の車の流れに合わせて運転していましたから、多少の速度超過をしていたかもしれませんが、少なくともここに表示されているような速度は出していませんし、この取締りには違法性があると思います。全て合法的だと立証されない限りは全面的に争わざるを得ません。


解説:ここから先は各ケース共通の共通事項(取締り後半)に従って主張しよう。警察官は何かにつけて「ここへのサインは義務だから」などとウソを言ってくるが、サインが義務なんてことはあり得ない。従って、自分の主張通りの記載がされていなければサインする必要はないし、表示された速度の紙にもサインをさせられるが(それがないとPCが単独で速度超過したことになってしまうので)それは切符の取り下げの交換条件にでもならない限りはサインしてはならない。
まあ、並の警察官ならここまでの時点でこちらの法的知識量を推し量り、諦めるか態度を軟化させるかするハズであるが、愚直なバカだと無理やり切符を書いてくるので、その場合は応用を利かせて頑張って欲しい。



2011年8月15日月曜日

ケース別対応マニュアル ③一時不停止

一時停止違反

結論から言うと、取り消させるのは相当難しい。一時停止の標識は赤で目立つし、道路にもペイントがあるのが普通なので、これを見落としては単なる過失では済まず、故意とほぼ同値の「重大な過失」となるからである。しかし、歩行者も車も1台もいないのに取締りを受けたとか、嫌がらせとしか思えないように隠れて取締りを行われたりしたなら、主張だけは通して否認し刑事処分だけでも不起訴を取っておくべきであろう。確かに反則点数2点は痛いが、警察が一番欲しがっている反則金(後に交通安全特別交付金となって都道府県にキックバックされ、警察OBの生活を支える資金)を払わないワケだから完全な負けでもないだろう。

①今止まらなかったね。あそこは一時停止だよ。

主張:そうなんですか!?この道路を通るのは初めてで知らなかった上、歩行者や合流車線の車に対する安全確認を優先するあまり、標識を見落としてしまいました。反省して二度と繰り返しませんので勘弁して下さい。

解説:開き直って「いや止まった!」とする主張はあまりにも強引なので、止まらなかった事は認めた上で、安全確認を優先した結果、初めて通る道路で標識を探すという動作が後回しになってしまった、という過失を強調しておこう。これだけで勘弁してもらえることはないので、あくまでも布石である。

②ダメダメ。あそこは一時停止なんだから。

主張:それは今あなたに言われて初めて知りました。確かに私は標識を見落とすという過失を犯しましたが、自分及び他者の安全確認を優先した結果の過失です。「安全かつ円滑な交通」という道交法の趣旨には抵触していないと思いますが、そこまで重い処分を受けなければなりませんか?

③違反は違反だし、一時停止を止まらなかった事が「危険だ」という事だからね。

主張:つまり○○さん(許してもらえそうにないとわかった時点でバッジの提示は求めておこう)は、「周囲の安全確認よりも標識を探すことを優先すべきだ」と主張されるワケですね。とりあえず私が止まるべきだった地点までご同行願えますか?

解説:一時停止とは、一時停止の白線よりも手前で一旦停止しなければならないことを意味するが、実は白線は交差点よりもかなり手前に引かれていて、そこで一旦停止しても合流路の安全確認は出来ない位置であることが多い。従って警察官を現場まで同行させ、以下の主張へ続けていく。

④ここに白線があって、標識も容易に確認できる場所にあるから、ここで止まらなければならないよ。

主張:質問ですが、この位置で停車すると運転席はこのくらいの位置になりますよね?○○さんは、この場所から合流路の安全確認が出来ますか?

⑤うーん…確かにここからだけでは見えない部分もあるから、ここで一旦停止した上で徐行しながらちょっと前に出て、場合によっては交差点の入口でもう一度止まって左右確認をしてから合流すればいいでしょ。

主張:それはちょっとおかしな主張ですね。私は「安全確認は十分にしたから危険ではなかっただろう」と主張しているのに、○○さんは「標識に従わなかった事のみをもって危険だと判断できる」とするワケですよね?それは裏を返せば標識に従ってこの地点で一時停止さえしていれば、そこからは普通に行っちゃってもいいってことですよね?何故なら一時停止線より前で再度停止して左右確認をするということは道交法には書かれていないワケですから、取締りの根拠法がなくなってしまいますよね?でも実際にはこの位置からでは十分な安全確認は出来ないワケですから、終始徐行して安全確認を優先した私よりも、一時停止線より前で停車してその後は普通に飛び出しちゃう車の方が安全だと主張させるんですか?○○さんが私が違反する現場を見ていたならわかりますよね?私の運転はそんなに危険でしたか?切符を切らなければならない程に?

⑥ゴネてもダメだよ。違反は違反だから。

主張:そうですか。では告知書への署名は拒否しますので供述調書に今の事を明記して下さいね。「被疑者は標識の見落としという過失は認めたが、安全確認は十分しており危険はなかったと主張しているが、○○巡査は「安全か危険かの判断は道交法の文面通りの運転をしたかどうかのみをもって判断すべきであり、一時停止さえ守っていればその後飛び出してしまったとしても、取締りの根拠法がない以上無罪でありつまり安全であったと言えると断言した」とね。ところで道交法に違反した場合でも警察官は「厳重注意処分」という判断を下すことも出来ると思いますが、どうして私の違反は注意では済まず、告知書の交付という厳罰を下さなければならないんですか?どんな点を持って「厳重注意処分では済ませないほどの可罰的違法性がある」と判断したのか説明して下さい。

解説:他のケースでもそうだが、違反自体を否認してもまあ勝ち目はない。争うべきは手続き上の瑕疵(かし)や、可罰的違法性であって、事実の有無について争ってはならない。裁判まで頑張っても裁判官は警察側の証言のみを採用するからだ。「過失は認めるが可罰的違法性はないだろう。それにこの取締りにはコレコレの点で違法性や恣意性が認められる」というロジックで主張していくのだ。

2011年8月14日日曜日

現場の警察官の皆さんにお願いしたい!!



23年間にわたり警察官として最前線に勤務され、退職後に腐敗を続ける警察組織への警鐘をならす活動を続け、
2010年11月2日、千葉県市原市で自死を選んだジャーナリストがいました。

それが黒木昭雄氏です。

彼のHPはご子息が引き継ぎ現在も存在します。
そのなかに、交通違反取締に関する警鐘がございましたので、
そこから引用させていただきます。

以下、http://www.akuroki.jp/re_tree/Plogs=61_treebbs.htmlから引用です。
他にも興味深い記事がございますので、関心ある方は覗いてみてはいかがでしょうか?

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私は警視庁に在職していた二三年間、上司のノルマ主義的命令にはさからって、交通取締りには自らの基準を持ち続けてきた。


私の交通違反取締りの原則は「指導」であった。
もちろん悪質な違反に対しては、断固として取締まり、妥協はしなかった。否認事件を多数抱えた時期もある。それどころか、検知拒否罪や信号無視の中でも、極めて悪質な運転手に対しては、その場で手錠をかけて現行犯逮捕した。千代丸氏著『無法ポリスに立ち向かう本』には、私が「悪徳警官」として描かれている。


この本は反面教師として、以前警察学校の副読本として使われていたのを覚えている。


私を知る多くの警察官は、「黒木は暴力団や薬物には目がないが、交通違反に関してはまったく目が向かない」
という者も少なくない。



しかし、決して交通違反問題を軽視していたからではない。交通違反者は犯罪を犯しているという意識は薄く、ほとんどが偶発的なものである。しかし、行政処分を受けて車の運転ができなくなれば、死活問題になる場合もある。


反則切符制度は警察手続きの中ではもっとも簡略化されたものであり、ベテランなら一〇分程度で終える。
簡略化のために違反者は十分な弁解の時間も与えられず、通り一遍の質問だけで処理されてしまう。そのため、違反者の深刻な事態にも気づかずに処理されてしまうのだ。


快適な環境とは言えない所で、日夜勤務に励む第一線の警察官につきまとう点数や件数実績主義。
身を切る思いで反則切符を切らねばならない、辛い立場も理解している。


しかし警察法の精神に立ち返り、現場では正義を実践し、守っていただきたいのだ。


悪質な者に対しては、たとえ交通違反といえども警察の強権を発動し、違反が偶発軽微で、反省の色が窺える者には、警告処分を旨としてほしい。人を見抜く目と冷静な判断力が求められている。
点数主義は決して警察のためにはならない、と心してほしいのである。

私は常々交通取締りの基準を、自分自身の運転におき換えていた。たとえ警察官といえども、絶対に交通違反をしない、したことがないと言い切れる者はいないはずだ。

私も当然違反をしたことがある。だから交通違反を犯す者の気持ちは、皮膚感覚でわかるのだ。
その観点から、運転者だけを取締りの対象とする警察の考え方も、この際一考しなければならないと思う。


確かに交通取締りは弱者を保護する、という建前は理解できる。
しかしそれは、弱者が交通ルールを守っている場合ではなかろうか。一般歩行者の交通ルール無視は目にあまるものがある。その無視のために事故が起きれば、自分自身のみならず、運転者にまでその累を及ぼし、運命を変えてしまうこともある。歩行者の身勝手が減れば、確実に悲惨な事故が減少するのだ。


現在点数主義に毒された、交通違反の行き過ぎた取締り命令は、全国民を敵に回し、捜査協力さえ得られない重大問題になりつつある。
聞き込みに行っても、不当な取締りを受けたと、反発し協力してもらえないケースも出はじめた。私が言いたいのは、警察官として取締りの権限を持つ者は、とかく処罰の権限までも持っていると錯覚し、警察法でいう「法の精神」を忘れているのではないかということだ。



法律にはあらゆる罰則があり、罰金刑では不定金額を明示されているが、道路交通法に明示されている反則金額は、確定金額である。
罰金刑における罰金額は、通常裁判官が決めるが、交通違反における反則金適用の違反については、警察官が違反の種別を認定し(決めて)、確定反則金額を違反者に告知する。


したがって交通違反の場合、警察官には取締りと罰金額を告知する権限を持っているが、裁判官のように人を処罰する権限までは持たされてはいないのだ。そこを錯覚しないでほしい。


偶発的な違反までも厳しく取締まるのではなく、「悪質なドライバー」、「悪質な歩行者」を検挙活動(一般的な取締りで逮捕ではない)をとおして、交通の安全に寄与していただきたいものである。




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「いい奴はみな死ぬ」
「生き残るのはいつも農民」


なぜかしらこんな台詞がワタクシの脳裏に広がります。

黒木氏のご冥福を祈らずにいられません。




2011年8月13日土曜日

「取締り」が天下り幹部の高給に化ける理由



23年間にわたり警察官として最前線に勤務され、退職後に腐敗を続ける警察組織への警鐘をならす活動を続け、
2010年11月2日、千葉県市原市で自死を選んだジャーナリストがいました。

それが黒木昭雄氏です。

彼のHPはご子息が引き継ぎ現在も存在します。
そのなかに、交通違反取締に関する警鐘がございましたので、
そこから引用させていただきます。

以下、http://www.akuroki.jp/re_tree/Plogs=61_treebbs.htmlから引用です。
他にも興味深い記事がございますので、関心ある方は覗いてみてはいかがでしょうか?

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納得のできない取締りを受けた者は、実に膨大な数になるはずだ。
巷間言われている、推測されていることにその理由があるのは、ほぼ事実だろう。

それをチャートにすれば次のようになる。


●交通違反を取締まる


→ 交通反則金が警察庁に流れ込む(歳入)



→ 交通反則金を予算計上し、自治省が都道府県に交付する(歳出)


→ 自治体警察本部などは反則金交付金を大義名分つき公的使途にカムフラージュする


→ 自治体は交通関連A~Z企業に機材など発注する


→ A企業に警察幹部が天下る


→ A企業を随意契約(そこしか指名しないから実質独占)企業にする


→ A企業から警察退職幹部に給与、賞与、顧問料が支払われる



●交通反則金 = 交通関係機材費 = 天下り警察官僚の給与、賞与、顧問料



というメカニズムが、前記の毎日新聞記事などから推測できるのだ。すなわち交通違反を取締まる目的が、反則金の収奪にあり、それは巡り巡って、警察幹部(退職幹部含む)の高給に化けているのではないか、という疑惑だ。そう推測できる現象は、警察内部では腐るほどある。

上司は何でそんなことを言うのか、納得いかない指示、命令の数々など、よく考えればチャートの図式にどうしてもたどり着く。




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このフローは、やくざが好むマネーロンダリングそのものです!

警察を心から愛していた黒木氏が、安心して眠れる日は当分訪れそうにありません。。。

2011年8月12日金曜日

交通違反反則金のウナル還流方法




23年間にわたり警察官として最前線に勤務され、退職後に腐敗を続ける警察組織への警鐘をならす活動を続け、
2010年11月2日、千葉県市原市で自死を選んだジャーナリストがいました。

それが黒木昭雄氏です。

彼のHPはご子息が引き継ぎ現在も存在します。
そのなかに、交通違反取締に関する警鐘がございましたので、
そこから引用させていただきます。

以下、http://www.akuroki.jp/re_tree/Plogs=61_treebbs.htmlから引用です。
他にも興味深い記事がございますので、関心ある方は覗いてみてはいかがでしょうか?

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道路交通法第一章総則、第一条(目的)
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、および道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

交通違反で取締りを受けた者は多い。

警察の手続きもよく知られている。しかし、その反則金の流れは、一般には闇の中だ。あまり話題になることもない。


違反者が金融機関に納めた反則金は、歳入としていったん警察庁に納入される。
そこから歳出担当の自治省にわたり、地方交付金として各自治体に交付される。
その交付金から、交通安全に関わる「交通標識、信号機、道路ペイント」などの費用に充当される、という建前になっている。


では全国四七都道府県に、それら交通関連設備を専門に扱い施工する企業が、どれほどあるのだろうか。


それら関連企業の資本、役員、営業形態(入札)はどのようになっているのか、などの点に話が及ぶと極めて不透明な部分が多いことに気づく。



そのことに関して、次のような記事を覚えている読者も多いだろう。その不透明な姿がちらりと波間に浮上した、警察(OB)と業者の癒着を暗示させる事件だった。

信号機管理で脱税、警察OB天下り先―法人税法違反容疑で、社長ら二十人聴取へ


◇数十億円、所得隠しの疑い
警視庁など全国十都県の警察本部から信号機の保守管理を請け負っている日本交通管制技術(横浜市西区)とグループ企業が巨額の法人税を脱税していた疑いが強まり、東京地検特捜部は十三日、天門太陽(あまかどたいよう)社長(六十一)ら関係者約二十人を法人税法違反容疑で一斉に事情聴取する方針を固めた模様だ。



グループ企業間で架空の注文を出したように装うなどの手口で、過去四年間に数十億円の所得を隠した疑いが出ている。グループは元警視総監や警察OBを顧問や役員に迎えるなど警察との深い関係を背景に業務を拡大していた。
これまでの調べや関係者によると、日本交通管制技術は警察から信号機の保守管理業務を受注した後、一部をグループ企業に下請けさせていた。この際に企業間で架空の注文を出したことにして不正な経理操作をしていたという。同社とグループ企業は昨年六月、東京国税局の強制調査(査察)を受けていた。
関係者は「不正経理で捻出した金は、税務署には申告せず、事業資金などに使った」と証言。特捜部などはグループ上層部が不正経理を指示して組織ぐるみで脱税工作をしていた疑いがあるとみて、天門社長らを追及する方針だ。


日本交通管制技術は一九六七年に設立され、信号機や警察の交通管制システムなどの保守管理を請け負っている。資本金は九千万円。民間信用調査機関などによると、昨年三月期の売上高は二十三億七千万円で、警察からの委託分が大半を占める。


これまで、青森、山形、福島、神奈川、新潟の五県警でグループ企業が信号機の保守管理業務を独占していた。警視庁と千葉、静岡、群馬、愛知の四県警でも業務の一部を委託されている。グループには青森、山形、福島、神奈川、新潟、千葉、愛知の七県警から、交通部長や交通部参事官だったOBが役員に天下りし、複数の元警視総監が顧問に一時就任していた。


警察庁は昨年夏、都道府県警の交通担当者を集めた会議で「随意契約を競争入札に切り替えるなど業者選定に門戸開放を進めるよう」指導した。これを受けて一部の県警では、業務の委託方法を見直す動きも出ているが、改善はあまり進んでいないという。


一九九八年四月十三日・毎日新聞・東京夕刊






全国の大企業は高級官僚に天下りポストを用意している。
その理由は「許認可」などの件で自社に有利に運びたいからで、その癒着構造は世論からたびたび指摘、指弾されてきた。


確かにその癒着から被る市民の不利益はあるだろうが、しかし交通問題はより市民生活に密着し、そこに不正があるなら、市民の被害はより甚大であろう。


毎日新聞の記事でわかるように、交通標識、信号機、道路ペイントなどの請負企業が、警察高級官僚の天下りを多数受け入れた、競争のない随意契約(本質は独占)企業と判明した。
この警察高級官僚の天下りを持続させるため、警察内部ではとんでもないことを平気で署員に押しつけているのだ。


警察上層部のある部長は「交通取締りの件数にこだわれ、数字にこだわれ」と指示を流し、とにかく取締り件数の実績を上げようとする。


道路交通法の目的は、道路上の危険防止と交通の安全を円滑に維持することにある。
そのため現場警察官は、道交法の精神に則り、違反者に対して厳格に臨み、指導、取締りを行なうことになっているのが建前だが、指導などはどこへやら、実際はみなさんご存じのとおり、違反者から反則金を取り上げる「取締り」が主目的となっている。


私の経験から言えば、平成三年の春ごろから急に交通違反取締り(特に駐車違反)件数を上げるように、上司が口やかましくなったと記憶している。
少なくともそれまでは、悪質ではないと認められる運転者に対しては、指導するという措置が取られていたのだ。


しかし最近では、取締り件数アップのためには、事情などいっさい斟酌せず機械的に処理し、点数を上げることにのみ熱心な警察官も増えている。その一例を挙げると、
深夜、PCで管内を警ら中に「駐車の苦情」ありと一一〇番通報を受け、現場に急行するとすでに受持交番から若い警察官が臨場していた。確かに三台ほどの車が駐車していたが、別にほかの交通に支障をきたすほどもなく、通報者も現場にいなかった。


駐車中の運転者に対し「なぜ車をここに止めているのか」、と聞いたところ「父親の容体が急変したから、急いで駆けつけたところだ」ということだ。しかし、受持交番の警察官は「違反は違反ですから」と言って、反則切符を取り出しはじめた。
私は思わず「いい加減にしろ」と一喝し、その取締りを中止させたことがあった。


その警察官は道路交通法の目的を、まったくわかっていないのだ。


この件は法的には確かに違反だ。しかし、その場の状況と駐車の理由から判断すれば「警告処分」にするぐらいの臨機応変の処置を取るべきなのだ。法はあらゆる事態を想定して作られてはいない。基本原則を示し、その中で常識的な判断をする、というのが法の精神だと思う。




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「いい奴はみな死ぬ」
「生き残るのはいつも農民」


なぜかしらこんな台詞がワタクシの脳裏に広がります。

黒木氏のご冥福を祈らずにいられません。





2011年8月11日木曜日

実際のノルマ点数表でわかる、その証拠


23年間にわたり警察官として勤務され、退職後に腐敗を続ける警察組織への警鐘をならす活動を続け、
2010年11月2日、千葉県市原市で自死を選んだジャーナリストがいました。
それが黒木昭雄氏です。

彼のHPはご子息が引き継ぎ現在も存在します。
そのなかに、交通違反取締に関する警鐘がございましたので、
そこから引用させていただきます。

以下、http://www.akuroki.jp/re_tree/Plogs=61_treebbs.htmlから引用です。
他にも興味深い記事がございますので、関心ある方は覗いてみてはいかがでしょうか?

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最近多くの雑誌編集者から
「警察にも実際には取締り件数に対するノルマがあるのではないですか?」と、よく聞かれる。


おそらくその質問の意味は、警察官がノルマを果たすために、不必要な取締りを実際に行なっているのではないか? 
という意味のようだ。


それではまず次頁の表(引用者注:サイトにはありませんでした)を見ていただきたい。
これは私が過去に勤務していた、第二自動車警ら隊の「検挙・取扱いほう賞基準表」である。
功労種別の右側にはそれぞれに数字が記載されており、一見しただけでこれが実績点数であることがわかる。


つまりこの表は実績ノルマの前提となる、いわゆる「点数」が実在している証拠なのである。

しかし警察のノルマは民間のノルマと違うのだ。
民間ならノルマの達成は即、会社成績の向上になる。警察組織は国家機関であり、犯罪予防と検挙をその任とする。犯罪の検挙率が高ければ、確かに治安がよくなるが、もっと望ましいのは犯罪が起きないことである。


したがって、犯罪予防の方に重点をおかなければならない。
すなわちノルマには馴染まない組織形態なのだ。さらに、ノルマが仮にあったとしても、民間のように倒産の恐れはまったくない。




それなら、実際に警察にノルマがあるのはなぜなのか?



1・警察実績は予算請求の道具
2・無能な監督者の実績管理法





つまり警察は従業員二六万人を擁する、大メーカーである。
製品は「実績」という名の単品で、単品メーカーとしては世界一の売上げを誇り、日夜生産に励んでいる。


毎年その実績件数(検挙件数)を伸ばすことによって、翌年度の予算が得られ、結果として一部の警察上層部は「それらにかかる装備品などの充実強化」という名目で、利権を取れるのだ。




無能な監督者は実績ノルマを前面に出し「実績のないものには休暇はやらん」「昇任させない」と脅すのだ。




そのように作った数字を上級幹部に示し、それゆえに架空の警察実績が維持されていくのだ。





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いかがでしょう?
警察時代の時間の大半をパトカー内で
過ごした黒木氏の発言はリアリティがあります。


「いい奴はみな死ぬ」
「生き残るのはいつも農民」


なぜかしらこんな台詞がワタクシの脳裏に広がります。


黒木氏のご冥福を祈らずにいられません。


元警察官が語る、交通違反取り締まり時の言い訳・言い逃れベスト5

すばらしい記事です!! 提灯記事を専門とするサラリーマン記者諸君には どんどん真似をするべきでしょう。 利害が相対する一方の立場の発言を 裏取りや調査もせず ただ聞いたことを記事にして 交通安全を声高に叫ぶ!    すばらしいw ...